導入事例

Dynamics 365 CRM
導入事例

三菱電機ビルソリューションズ株式会社 様

複数のサブシステムと連携し情報とプロセスを統合
Dynamics 365 を「ハブ」に可視化・標準化を推進

三菱電機ビルソリューションズ株式会社 様 >複数のサブシステムと連携し情報とプロセスを統合 Dynamics 365 を「ハブ」に可視化・標準化を推進

課題

  • 2019年の中期経営計画で高い売上成長目標が打ち出された
  • その達成は、従来の営業のやり方では難しいと判断
  • アナログな営業活動からの脱却と効率的な営業体制の構築が不可欠になった

効果

  • Dynamics 365を「ハブ」にすることで、営業活動を可視化・標準化
  • 見積承認の時間を一気に短縮し、営業の事務作業も大幅に削減
  • 他支社の案件を参考にすることで、未経験商材の営業も容易に

導入背景と既存業務の課題

中計で打ち出された高い成長目標

三菱電機ビルソリューションズ株式会社 日本事業統括本部 事業推進本部 業務・販売統括部 ソリューション推進部 マーケティンググループ グループマネージャー 山崎 秀司氏
三菱電機ビルソリューションズ株式会社
日本事業統括本部 事業推進本部 業務・販売統括部 ソリューション推進部 マーケティンググループ
グループマネージャー
山崎 秀司氏

三菱電機ビルテクノサービスと三菱電機のビルシステム事業が経営統合し、2022年4月に誕生した三菱電機ビルソリューションズ株式会社(以下 MEBS)。昇降機(エレベーター/エスカレーター)や空調設備、ビルマネジメントシステムなどの事業を展開。基幹事業である昇降機では国内でトップシェアを獲得し、世界96カ国にも進出している。

ここでいま急速な勢いで進められているのが「営業スマート化プロジェクト」だ。その背景について、日本事業統括本部 事業推進本部 業務・販売統括部 ソリューション推進部 マーケティンググループで、グループマネージャーを務める山崎 秀司氏は次のように説明する。

「直接的なきっかけは、2019年に策定された中期経営計画です。エレベーターやエスカレーターはすでに成熟した市場であり、それまでは毎年2~3%程度の成長率で推移してきました。中期経営計画では、その数値を大きく上回る目標が設定されており、業務負荷が高い従来の営業スタイルの改革が求められていました」

可視化と標準化の基盤が必要

目標実現のためにあらためて着目されたのが、すでに2018年に導入されていたMicrosoft Dynamics 365 Salesだった。MEBSの営業担当者は、1人あたりエレベーター 500台程度を担当しており、1日に数十件の顧客訪問を行っている。以前はその報告書(日報)を手書きの「お客様カード」で管理していたが、Microsoft Dynamics 365 Salesの導入によって日報を電子化していたのだ。

「Dynamics 365を導入したのは別の部署ですが、他社CRMとの競合の結果、マイクロソフトと一緒に提案に参加した導入パートナーが決め手となり、採用を決定したと聞いています」と山崎氏。その時のパートナーがシーイーシーであり、「はじめから大規模な導入を行うと失敗しやすいため、スモールスタートして必要に応じて拡大していきましょう」という提案内容が、高く評価されたのだと説明する。ここで最初に着手されたのが日報の電子化であり、他の部分はまだアナログなままの運用だったのだ。

「当社は地域ごとに複数の支社が営業を行っており、そのやり方は支社によって異なっていました。そのため、他の支社の成功事例を参考にすることが難しく、営業担当者が支社間で異動した際には再度やり方を学び直す必要もありました。全社で営業力を強化していくには、営業プロセスの可視化と標準化を進め、問題点の改善を行いやすい状況にしていかなければなりません。その基盤としてDynamics 365を、もっとフル活用できないかと考えたのです」

構築システムとパートナー選定

Dynamics 365を営業活動全体の「ハブ」に

2022年4月にはDynamics 365をベースにしたPoC開発に着手。Dynamics 365をフル活用したシステムを構築するとともに、その効果の内部レビューが進められていった。

構築されたシステムの構成は図に示す通り。マーケティングオートメーション(MA)や名刺管理システム、企業情報システム、承認ワークフローなど、複数の周辺システムをDynamics 365と連携させ、営業プロセスに関わるすべての情報を統合している。また、ユーザーが使用する画面もDynamics 365に集約し、Dynamics 365の画面だけにアクセスすれば、営業活動を進められるようになっている。つまりDynamics 365が営業プロセス全体の「ハブ」となっているのだ。

「営業スマート化プロジェクト」で構築されたシステムの全体像
「営業スマート化プロジェクト」で構築されたシステムの全体像

これと並行して、チームセリングの実現に向けた取り組みも推進。2022年4月から1年かけてインサイドセールスチームを全社展開し、マーケティングが「集客」、インサイドセールスが「案件育成」を担うチームで営業する体制を作り上げていったのである。

シーイーシーとともにハードルをクリア

三菱電機ビルソリューションズ株式会社 日本事業統括本部 事業推進本部 業務・販売統括部 ソリューション推進部 マーケティンググループ 主任 庄司 圭一氏
三菱電機ビルソリューションズ株式会社
日本事業統括本部 事業推進本部 業務・販売統括部 ソリューション推進部 マーケティンググループ
主任
庄司 圭一氏

このシステム構築のパートナーとしても、シーイーシーが選ばれている。その理由について、「2018年のDynamics 365導入を担当した部署からの推薦があったからです」と山崎氏は説明する。前述の提案内容や、導入プロセスにおける対応が、高く評価されていたのだ。もちろんMEBSにおけるDynamics 365の活用状況も熟知している。そしてこの選択は、システム構築をスピーディに進める上で、大きな貢献を果たす結果になったという。

「例えば、MAとDynamics 365との接続は当初考えていた以上に難しかったのですが、シーイーシーはこのハードルを乗り越えるために複数の選択肢を提示し、問題を解決してくれました」というのは、日本事業統括本部 事業推進本部 業務・販売統括部 ソリューション推進部 マーケティンググループで主任を務める庄司 圭一氏。またアジャイルな開発スタイルによって、ユーザーからの要望にもスピーディに対応してくれたと振り返る。山崎氏も「シーイーシーならDynamics 365のことをすべて任せられます」と語っている。

システムと導入効果と今後の展望

営業が費やす時間を大幅に削減

2023年4月には新システムの全社展開をスタート。2024年6月までに国内全支社への導入を完了している。これによって得られた最大の効果は「見積承認スピードの大幅な向上です」と庄司氏。以前は顧客提出まで2週間かかっていたが、現在では1日で提出できるという。

また、営業が日々の作業に費やす時間も節約されている。全支社への導入が完了した翌月には、導入前に比べて月間1万5,000時間を削減。これによって空いた時間を、新しい商談に投入できるようになった。

「Dynamics 365上で他の支社の商談を参照することも可能です」と庄司氏。見積書の内容や承認プロセスも見ることができるため、経験のない商材の営業を行う際の参考にもなるという。「これによって新人のオンボーディングも早くなると考えています」

契約や工事もこの仕組みに統合

「Dynamics 365をフル活用することで、ブラックボックスだった営業活動を可視化・標準化できました」と山崎氏。これからもデジタルマーケティングとインサイドセールスとの連携によって、営業がやるべきことに注力できるようにしていきたいと語る。

また近い将来には、受注後に行われる「契約」や「生産部門との橋渡し」も、この仕組みに統合していくことが視野に入っているという。「これによって生産性を高めながら、営業が自律的に活動するというスタイルを確立したいと考えています」

三菱電機ビルソリューションズ株式会社 様
三菱電機ビルソリューションズ株式会社

本 社 :
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1丁目7番1号
代表者 :
代表取締役 取締役社長 織田 巌
従業員数:
約13,000名(2023年4月1日現在)
事業内容:
ビル設備の開発/製造/販売/据付/保守/修理/監視など
URL :
https://www.meltec.co.jp/
ビルソリューションジャーナル
https://www.meltec.co.jp/useful/

三菱電機ビルテクノサービスと三菱電機のビルシステム事業の経営統合によって2022年4月に発足。長年培ってきた技術力と開発力を基盤とする「製品・システム提供」、製造・販売・運用をトータルサポートする「ワンストップ体制」、業界最大規模の「納入実績とサービス体制」を強みに、昇降機や空調設備、ビルマネジメントシステムなどの事業を展開。社会インフラを支える企業として重要な役割を果たし続けている。

※製品名・企業名・役職名など、記載の情報は取材時のもので、閲覧時には変更されている可能性があります。

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