導入事例
Dynamics 365、Power Platform 導入事例
株式会社シーイーシー
Dynamics 365 Customer Service/Power Pagesをもっと使いやすく。
自社開発のアドオンテンプレートを活用して、
保守サービス業務の効率化とCXの向上を実現
課題
- 顧客ごとの保守業務の属人化をなくし対応品質を統一化したい。
- お客様への対応方法や手段を統一し、ナレッジを集約して管理したい。
- 集約したナレッジは、既存顧客が使えるように公開(検索できるなど)したい。
- 既存顧客の継続や取引拡大につながる仕組みが欲しい。
効果
- 保守作業時間削減:5.6時間/月
- 顧客の離反防止:離反率2%の維持
- 保守原価費削減:保守原価費10%低減
- 新規顧客獲得:他社から乗り換え2社
Dynamics 365 Customer Service/Power Pagesで
「カスタマーサービステンプレート」を開発・導入した背景
カスタマーサービステンプレート(以下 CSテンプレート)とは、マイクロソフト社が提供するDynamics 365 Customer Service/Power Pagesを基盤に、カスタマーサービス業務に必要な機能をテンプレート化して提供しているサービスである。
2023年10月、シーイーシーはベンダーとしてさらに付加価値の高い保守サポートを既存のお客様に提供するため、自社サービスであるCSテンプレートの利用を開始した。
当時は保守担当者がお問い合わせに対して問題解決を行っても、そのノウハウやナレッジを社内に共有する仕組みがなく、担当者同士の情報共有や顧客の状況が把握しにくいことが課題であった。顧客ごとの保守業務において担当者が独自の対応を行っていたため、多くの業務が属人化していたという。そのため、別々の顧客から同じ内容の問い合わせがあっても、調査・対応に時間がかかるといった問題が上がっていた。
加えて、顧客との連絡や問題解決方法などをそれぞれの担当者が自身のやり方で行うため、対応品質のばらつきがあることも課題だった。
これらの課題に対し、CSテンプレートの導入により期待できる効果は大きく3つある。
- ①
集約されたナレッジがあれば、問い合わせ内容の調査時間が劇的に短縮され、対応の手間を削減し、業務効率化を実現できる。
- ②
これまでは、内部での情報共有には、担当者が個別にメールやTeamsをベースにファイル共有するなどといった方法でコミュニケーションを取っていたが、これらが一つのシステムで統一されれば、対応品質の平準化が期待できる。
- ③
集約されたナレッジを既存顧客に提供する仕組みがあれば、自己解決(顧客自身がナレッジを検索して問題解決)ができるケースが増え、顧客満足度の向上が期待できる。
シーイーシーにおける実際の取り組み
保守業務の効率化・品質向上のためにシーイーシーが行ったのは、CSテンプレートを利用した以下の4つの取り組みである。
1. 顧客向けサポートポータルサイトの構築
CSテンプレートを利用し、簡単にかつ短期間でサポート契約の管理が可能なサポートポータルサイトを構築。
顧客からの過去の問い合わせやサービスに関する情報について、既存顧客はもちろん、サポート担当者がナレッジをいつでも閲覧可能になった。
2. 保守管理体制の再整備、運用の見直し
顧客問い合わせ窓口としての保守受付チームは存在していたが、お問い合わせ内容の登録以降は各担当SEに引き継ぎ、具体的に対応する方法やフォーマットは担当ごとに任されてバラバラになっていた。
また、対応から得られたノウハウは一部共有されていたものの、検索性が悪く活用できる状態になっていなかった点も課題だった。
サポートポータルサイトを利用することで、サポート受付業務を自動化し、保守受付チームは対応状況の進捗チェックとフォローに専念できるようにした。
さらに、各担当SEがポータル上で対応履歴を残すことで効率的な情報集約が可能になった。
また、お客様側からも問い合わせ履歴や契約情報など、これまで個別に管理するか都度確認する必要があったものが、ポータルサイトを見れば一目で分かるようになり、双方の手間削減につながった。
3. 保守サポート業務の効率化
サポートサイトは、ポータル上でお客様とのやり取りが可能。従来はメールやチャットベースで対応していたが、そのやり取りをポータル上で実施することで、情報共有も同時に実現。
保守サポートの内容が共有されることにより、知見のあるメンバーからのアドバイスや、他のやり取りを参考にできるようになった。その結果、属人的な体制からの脱却と、サポート品質が向上し、保守サポート業務全体の効率化につながった。
4. 収益向上につながるサポートサービスの仕組みづくり
前述の効果に加えて、CSテンプレートでは問い合わせや対応状況などのナレッジを集約管理できるようになっている。これにより、サポート業務の効率化はもちろん、お客様の課題やニーズをすばやくキャッチすることができる。
例えば、お問い合わせの内容から課題やニーズを読み取り、お客様の状況にあったソリューションを提案できるため、次の商談機会の創出につながり、その結果、収益向上も期待ができる。
Dynamics 365 CSテンプレート活用で期待できる効果
これまで述べてきたように、Dynamics 365 Customer Service/Power PagesへCSテンプレートを適用し、実際の保守サポート業務で運用すると、「顧客の離反防止」「保守原価費削減」「新規顧客獲得」などの定量効果が期待できることが分かった。
目標 | 期待できる効果 |
---|---|
顧客の離反防止 | 離反率2%の維持 |
保守原価費削減 | 保守原価費10%低減 |
新規顧客獲得 | 他社から乗り換え2社 |
将来構想と今後の期待
将来構想としてはAIチャットボットを導入し、さらに課題解決のスピードや満足度を上げることを検討している。また、活用事例やTips、新機能などの情報をこまめに提供するなどして、製品利用を促進する構想も検討している。
AIチャットボットの利用や応答自動化
お客様からのお問い合わせをAIチャットボットで対応。応答の自動化により、お客様への迅速な対応を実現。いただいたお問い合わせは、ノウハウとして蓄積することに加え、シーイーシー社内の保守対応業務の効率化にも活用。
活用事例やTips、新機能情報提供による当社顧客のサービス利用の促進
シーイーシーの提供サービスであるDynamics 365/Power Platform全般についての活用事例を発信していく予定。これらの情報をもとに、お客様に、課題解決に必要な機能やサービスを取り入れていただき、自社サービスの利用促進に期待。
今後も、CSテンプレートをさらに機能アップさせ自社活用し、より一層お客様に寄り添った保守サービスを実現していきたい。
株式会社シーイーシー
- 本 社:
- 〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南1-5-5 JR恵比寿ビル
- 代表者:
- 代表取締役社長 姫野 貴
- 事業内容:
-
- デジタルインダストリー事業
製造業のお客様を対象に、業務の効率化や品質の向上、魅力ある製品づくりを支援するICTサービスを提供 - サービスインテグレーション事業
企業・組織の業務改革・改善に必要な、ICTサービスをトータルで提供
- デジタルインダストリー事業
- URL :
- https://www.cec-ltd.co.jp/
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