導入事例

Dynamics 365(ERP)導入事例
オリエンタルモーター株式会社 様
Microsoft Dynamics AXの導入によって販売システムと会計システムを連携しリアルタイムな財務状況の把握を実現。
ERPの導入によって、中国拠点で販売と会計のデータを一括で管理できるようになり、財務関連の業務効率化を実現できたのが大きなメリット。売上増にも寄与しています。

Microsoft Dynamics AXの導入背景
販売と会計のデータが連携していない煩雑な管理の打破に向けて刷新
オリエンタルモーターは、精密小型モーターおよび制御用電子回路などの開発、製造、販売を手がけており、何万品目もある製品を1台から注文を受け付け、それが大口の受注であっても顧客の希望する納期に出荷することを強みとしている。国内に加えて、欧米やアジアにも拠点があり、グローバルでビジネスを展開している。

アジアカンパニー 管理担当部長
稲垣 邦彦 氏
オリエンタルモーターが中国に進出したのは2004年。上海にオフィスを設置した。設立当初は、営業を中心に新規顧客の開拓に注力。順調に顧客が増えていった。
3年が経過した07年にはビジネスが軌道に乗り始めた。一方、財務業務を中心とした社内管理業務は、立ち上げ当初と比べてさほど変わっていなかった。そんな折、日本で管理業務を担当していた上井真氏が管理部長として中国に赴任。当時の様子を上井氏はこう振り返る。「真っ先に感じたのは、販売システムと会計システムの連携に課題があるということでした」。販売と会計が別々のシステムで、データが連携されていなかったのだ。そこで問題になってくるのが中国の会計事情 である。日本と大きく異なる点が売り上げを計上するタイミングで、日本は信用取引が前提で請求書を発行したら売掛として計上できるが、中国は出荷から検収まで時間がかかり、検収通知を受領し、個別のタイミングで領収書発行= 売上となる。しかも、税務局が管理する通し番号が振られた領収書で処理しなければならないため「販売システムと会計システムのデータが別々だと管理が煩雑になってしまう」と上井氏は判断した。
煩雑な管理になってしまうのは、取引が前払いの場合と後払いである売掛金の場合があり、顧客によって異なっていることも要因だ。加えて、オリエンタルモーターの幅広い顧客に応えるビジネススタイルによって、領収書の枚数は膨大なものだった。しかも、売掛金の管理は手作業で行っていた。「リアルタイムに財務状況が把握することができなかったのです」と上井氏。そこでシステムの刷新を決意した。
“データを一元管理したい” ERPの導入検討へ

生産管理本部生産企画部課長
上井 真 氏
システムを刷新する必要性に迫られ、上井氏は情報を収集することに奔走した。
「セミナーに参加したり、日系企業向けのコミュニティ雑誌を読んで資料を請求したりと、とにかく多くの情報を収集しました」と上井氏は振り返る。そのなかで、「1日の変化をリアルタイムで把握するには、ERPという考えが強くなりました」。そこで目にとまったのがDynamics AX。販売元のシーイーシーにコンタクトをとって、機能の説明を聞いているうちに、「当社で問題になっていることを解決できると確信しました」。すぐに導入を検討。しかし、本社側からは、「反対」という答えが返ってきたのだ。
導入ポイント/導入効果
1データの一括管理
ERPの導入によって販売システムと会計システムを連携、データの一括管理が可能になった。
2拠点間のデータ連携
上海オフィスで導入後、蘇州や広州で工場を操業するなど、拠点が増えてもデータの連携を実現している。
3売上増に寄与
営業に確認するまでもなく財務データをタイムリーに把握できるようになり、営業担当者が本来業務に集中できるようになり、売上増にも寄与した。
導入後の利用状況
現地の知恵に本社も納得 シーイーシーの“実戦”経験を信頼
しかし、本社の反対にも関わらず、Dynamics AXは10年9月には稼働を開始した。これは日本サイドの疑問に、中国サイドがきちんと答えたからだ。当時、日本側の責任者だった稲垣邦彦氏はこう振り返る。
「今でも『金蝶』『用友』以外の会計パッケージを採用するリスクは大きいものです。当時、会計要員の手薄な当社でDynamics AXの採用するのは無謀に思われました」
これに対し、シーイーシーのスタッフは、丁寧に中国の発票制度をはじめとする中国固有の制度・慣習を日本側に説明。日本側の懸念事項を一つひとつ解消し、採用に結びつけたのだ。
導入後、わずか半年で効果を発揮 新たな中国拠点にもDynamics AXを導入
11年2月、稲垣氏は上海に赴任。稲垣氏はDynamics AXを自身でも運用することになった。「売掛金管理の精度向上など目にみえて効果がわかりました」という。上井氏も、「社内の業務効率化を実現したほか、営業担当者が顧客に対して価値を提供するという本来の業務を遂行できるようにもなりました」と語る。

さらにその後、蘇州、広州と工場を短期間で操業する際にも、シーイーシーのノウハウとDynamics AXの柔軟な拡張性が威力を発揮した。
稲垣氏は、「シーイーシーに依頼して、数カ月後に蘇州でシステムが稼働した時は、本当にERPのパワーを実感しました。Dynamics AXの導入によって、資金繰りの精度が格段に向上し、経理部門の残業も大幅に減り、業績も向上しました」と満足そうに話す。
今後の展望
バージョンアップで次のステップを模索
複数の中国拠点でDynamics AXを導入して成功を収めたオリエンタルモーターでは、「導入から5年が経過したことを踏まえて、バージョンアップを検討しています」と、稲垣氏は次のステップを語る。
稲垣氏は、「当然バージョンアップも、中国ビジネスに精通したシーイーシーに相談して進めていくつもりです。シーイーシーは当社にとって、掛け替えのないビジネスパートナーです」と語る。
シーイーシーは、ERPに関してDynamicsAXに特化した提供を行っている。稲垣氏は「中国ならではの文化を把握して導入するというシーイーシーのサポートがあったからこそ」と繰り返し強調する。
市場を踏まえたノウハウがユーザー企業のIT導入を成功に導いたのだ。

オリエンタルモーター株式会社

- 本 社 :
- 東京都台東区東上野4-8-1
- 代表者 :
- 代表取締役会長 CEO 堀川 良吉
代表取締役執行役員社長 COO 川人 英二 - 創 業 :
- 1885年
- 設 立 :
- 1950年
- 資本金 :
- 40億円
- 従業員数 :
- 連結 2,835名(2015年3月末時点)
- 事業内容 :
- 精密小型モーターおよび制御用電子回路などの開発・製造・販売
- URL :
- http://www.orientalmotor.co.jp/

※製品名・企業名・役職名など、記載の情報は取材時のもので、閲覧時には変更されている可能性があります。
お電話でのお問い合わせ(受付時間:平日9:00-17:45)
Webからのお問い合わせ